我が家の息子は発達障害(ASD)の診断を受けています。自閉症スペクトラムという発達障害で、人に興味を持てなかったり、自分の世界に入り込んでしまうことが多々あります。
そんな息子、4歳〜5歳頃から無意識に爪を噛んだり、「ンッ、ンッ」と喉を鳴らすような動作を繰り返すようになりました。一般的に、子供の癖と片付けられてしまうこともありますが、こう言った動作をチック症と言います。
- 顔、アゴを動かす
- 手をずっと動かしている
- 複雑な動きを繰り返す
- 決まった声を発する
など、子供のちょっと変わった癖のことをチックと言います。親からすると
と思ってしまうかもしれませんが、子供も無意識に行っているので”やめる”ことが出来ません。止められない子供のチック症で親も疲れ切ってしまうかもしれませんね。
今回はチック症(トゥレット症候群)について、またその治療法についてご紹介します。
この記事の目次
チック症は神経学的に、不随意運動と呼ぶ
チック症は幼少期に発症することが多く、周囲の環境や精神活動が影響していると言われています。と言っても、その原因を明確にすることは難しく、個々によって様々な原因を抱えているようです。
そのため、チック症が出たとしても親の育て方に悪い部分があったとか、そう言ったことはありません。初めて子供のチックに気づくと、親としてもショックがあるかもしれません。しかし、育て方と大きな関係はないので、落ち込んでしまわないようにしましょう。
チックの特徴
チックというのは本人の意思とは関係なく、突然に体が動いたり、声が出たりする症状が一定期間続く障害のことです。
本人の意思とは関係なく、というのがポイントですね。親として見つけると
と怒ってしまいそうですが、本人は全く怒られた原因が分からないかもしれません。「何も悪いことをしていないのに、家でいつも怒られる…。」子供がそんな風に感じてしまうと、さらにチック症が激しくなる可能性があるので注意が必要です。
また、チックは女の子よりも男の子の方が発症しやすく、2:1くらいの割合で男の子が多く発症しています。
チックを見ると、変わった行動をとったり、表情をしたりしているので「やめて」と思うかもしれませんが、チックを抱えている子供からすれば我慢したくても我慢できないものです。これは、くしゃみを我慢したり、痒いところを我慢したりする感覚に似ていると言われます。
さらに、チックを起こすと、その衝動が治るので精神的にスッキリするようですね。
運動性チックと音声チック
チックは大きく分けて
- 運動性チック
- 音声チック
の2つに分類されます。文字通り、体の運動(動作)に関するチックと、音声(声)に関するチックの2種類。
さらに、チックの持続期間の長さによって
- 単純型
- 複雑型
に分けられます。明確に〇〇続いたら複雑型、それ以下は単純型と決められているものではありませんが、長期的に続くものを複雑型と呼びます。
一般的には運動性チックか音声チック、どちらか片方を発症するケースが多いのですが、中には両方を同時に発症する人もいます。運動性チックと音声チックを慢性的に発症することを「トゥレット症候群」と呼びます。
最近有名な歌手「ビリー・アイリッシュ」もトゥレット症候群を抱えていると報道されましたね。目を見開いたり、首を傾げたり、大声を出したり、とチックの症状が見られますが、個性として天才的なイメージもありますね。
トゥレット症候群を発症するのはチックの中でも100人に1人と言われているので、なかなか発症することはないでしょう。
チックの主な症状
運動性チックか、音声チックか。さらに単純型か、複雑型か。それぞれの症状が明確に切り分けられているわけではありませんが、主だった各チックの症状をご紹介します。
単純運動性チック | 肩を動かす、首を振る、激しくまばたきをする、しかめっ面をする |
単純音声チック | 頻繁に咳払いをする、鼻をフンフンと鳴らす、シューと息を吐くような音を出す |
複雑運動性チック | 自分の体を叩く、いきなりジャンプする |
複雑音声チック | 汚い言葉を使う、繰り返し同じことを言う、独り言を繰り返す |
簡単に分類してみると、このようになります。と言っても、子供の症状が当てはまるから確実にチックだとは言い切れません。その時だけ本当に体の一部が気になっていたのかもしれませんし、周りの子のチックを見て面白そうに真似しているだけかもしれません。
我が家の息子もアゴを出すような仕草をしていたので、「どうしたの?」と聞くと「〇〇君がいつもやってる」と。友達の真似をしているだけだったようです。
しかし、そのまま放っておくと癖になってしまう可能性もあるので、気になった時には声をかけて注意してあげましょう。
チックを発症するのは4歳頃から
チックを発症する子供は、たいてい4歳〜5歳くらいで発症するようです。ちょうど保育園に通って年中〜年長さんになる時期なので、
と心配になる親御さんもいるかもしれませんが、保育園だけが原因と判断するのは難しデイでしょう。
さらに、チックの症状は10歳〜12歳頃に重くなる傾向があります。小学校の時、クラスに変わった癖を持つ友達がいませんでしたか?ちょうど小学生の頃は周りの友達を意識する時期になり、そのころにチックは症状が重くなるため気になってしまうようですね。
青年期〜大人になるとたいていのチックは症状が軽くなる傾向にあります。特に、小さい頃にチックを抱えていた子供も、大人になると全く症状が出なくなるケースがほとんどです。そのため、自分の子供がチックを抱えていたとしても一時期のものと考えて良いでしょう。
しかし、たまに大人になってもチックが続いていたり、さらに症状が重くなってしまう方がいます。全体の1%は成人期までチックが残ると言われています。
体が大きくなるとチックを発症する場所も変わってきますし、チックによって緊張度が変化するケースも多々見られます。
チックは症状が重くなったり軽くなったり、軽快と悪化と繰り返すものです。期間とともに症状が発生する筋群や音声が変化するので、子供のチックが気になる場合はしっかりと観察してあげましょう。
チックを発症する原因
チックを発症する原因として、おじいちゃん、おばあちゃんは「精神的なものだから、子供にストレスを与えないように。」と言うかもしれませんが、実際のところ家庭でのストレスが原因と診断されるケースは少ないようです。
気質要因
- 不安
- 興奮
- 疲労
など、子供が抱える精神状態によってチックを発症するケースが多々あります。遊んでいる時には何ともないのに、家に帰ってグダーッとテレビを見ている時や、ちょっと話をしている時にチックが目立ちます。
学校で遊んでいる時、勉強している時には何ともないのに、遊んで興奮しすぎたり、テストが近くなって緊張したりするとチックを発症する子供も多くいます。
環境要因
周りに変わった癖を抱えている友達がいる場合、その子の癖を真似ている可能性もあります。
面白がって真似ていると言うよりは、ずっと一緒にいて見ているだけで意図せずに真似てしまうと言った方がいいかもしれません。相手を模倣する癖を持っているイメージですね。
遺伝的要因
チックは遺伝する可能性が高いと言われています。父親、母親がチックを抱えている場合、生まれてくる子供もチックを発症する可能性が高くなります。
実は、僕もチックを抱えていました。激しくまばたきをしたり、ギューと目をつむったりしていたようです。「ようです」と言うのも、僕本人は気づいておらず、そう言った行為が悪いものとも思っていませんでした。
今になっても、まばたきは治っていません…。人と話をしていても目をシパシパさせるような感じなので、よく「眠いの?」と声をかけられることがあります。でも全く眠いわけではないのですが、まばたきが止められないんです。
我が家の場合、僕自身がチックを抱えているので、それが子供へ遺伝してしまった可能性が高いですね。
チックの治療方法
我が子のチックを治したいと考えている親御さんは多いでしょう。しかし、実際に効果が認められているチックの薬というのは発見されていません。
チックが軽度の場合
チックの症状が軽度であれば、基本的には放置していても大丈夫です。本人がチックを気にしている場合は
と安心させてあげることが最善の治療。チックが自然と治るまで、出来るだけ気にならないようストレスを溜めないようにしてあげることが大切です。
気に留めないと言っても周囲の人からは変わった目で見られることもあるでしょう。そのため、子供のチック治療にはもちろん親の協力、さらには学校の先生にも理解してもらう必要があります。
チックが生活の妨げ担っているような場合はチックを止めるための薬を使用することが推奨されます。
クロニジン
クロニジンという薬は、チックに伴う不安や多動症のコントロールに有効だと言われています。しかし、クロニジンは眠気を引き起こす可能性もあるので、学校へ通っている子供の場合は日中に活動に支障をきたす可能性も…。
精神を安定させる薬なので、使用が慢性化してしまうやめられなくなる可能性があるため注意が必要です。急にクロニジンの処方をやめたことによって血圧が上昇した患者例もあります。
子供のチック症状が激しく自傷行為などが観察される場合には、精神科医へ相談し薬の処方をお願いするのも一つの方法です。
チックが重度の場合
チックが重症で生活に支障をきたしている場合は神経科、または精神科医へ相談し、薬の処方をお願いしましょう。精神障害が原因となっていなくても、抗精神病薬が役立つ可能性があります。
抗精神病薬には、落ち着きがなくなったり、緊張したり、と言った副作用が起きる場合もありますが、チック症状で処方してもらうものは極少量なので副作用も見られないでしょう。
生活リズムを正すことが最善の治療
チック症状を軽減させるためには、生活リズムを正し、脳の活性化を促進することが最善の治療法と言われています。
どうしても一緒に生活していると大人の生活リズムに巻き込まれがちです。しかし、大人が活動するような夜間帯にはしっかりと子供を寝かせてあげましょう。
朝は決まった時間に起きて朝食を食べる。日中はよく体を動かし、食事もしっかりと取る。そう言った規則正しい健康的な生活がチックを治すために重要となります。
チックと発達障害の関係性
チックを抱えているには、自閉症スペクトラム(ASD)や学習障害(LD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)など発達障害を合併症として発症しているケースが多くあります。
チックは筋肉、神経系への障害がメインとなりますが、精神的なものが原因となっている可能性も大いに考えられます。発達障害を抱えている子供たちは、自分の世界に入り込んでしまったりすることでチックを発症しやすい状況にあるようですね。
- 一つの事が気になると、それしか目に入らなくなる
- 周囲に対しての注意力がない
- 特定の分野だけ優れた能力がある
こう言った症状が見られる場合、チックを発症する可能性も高くなります。
発達障害を抱えているからチックになる、チックがあるから発達障害だ、と言った決めつけは良くありません。基本的にはそれぞれ違う症状のものですので、気になる場合にはしっかりと小児科、神経科へ相談しましょう。
何より、チックの症状を抱えている子供自身がストレスを感じている可能性もあります。親として、そのストレスが解消できるような手助けをしたいですね。
子供の発達が気になっている親御さんは多いでしょう。「発達障害なのかな?」と心配になったり、中にはお子さんが発達障害を抱えており教育に不安を抱えている方もおられるはず。僕の息子も発達障害(ASD)を抱えているので、今後の教育に関してとても不安を抱えています。
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